夏の食中毒予防

メディカル

こんにちは、皆さん。日々暑さが増すにつれ、食中毒のリスクも高まってきます。今回は、食品が安全かどうかを確認する方法と、なぜそれが重要なのかについて話したいと思います。

食中毒は、食品に含まれる病原体によって引き起こされます。特に夏の暑さは、サルモネラや大腸菌O157といった病原体が増殖しやすい環境を作り出します。では、私たちが食べる食品がこれらの病原体を含んでいないかどうか、どのように確認できるのでしょうか?

Cfu/gとは

ここで「cfu/g」という単位が出てきます。これは「colony-forming units per gram」の略で、「1グラム当たりの形成菌数」を意味します。つまり、ある食品サンプル中に存在する生きている微生物の数を示すものです。

具体的には、食品サンプルから微生物を抽出し、希釈した後、特定の培地に播種(細菌を特定の微生物が増えやすい場所に移すこと)します。培地を適切な温度で一定時間培養すると、微生物がコロニー(集団)を形成します。そのコロニーの数を数え、希釈率を用いて計算することで、元の食品サンプル中の微生物の数(cfu/g)が算出されます。

算出方法

では、具体的にはどのようにしてこの「cfu/g」の数値を算出するのでしょうか?以下にそのプロセスを詳しく説明します。

まず最初に、食品サンプルから微生物を抽出します。これは通常、サンプルを無菌バッファに混ぜ、適切に振動させることで行われます。これにより食品中の微生物がバッファ溶液中に均一に分散します。

無菌バッファとは、細菌や他の微生物が存在しないバッファ溶液のことを指します。バッファ溶液とは、酸や塩基が加えられたときにそのpHをほぼ一定に保つための溶液で、生物学や化学の実験で頻繁に使用されます。無菌バッファは、通常、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)などを使用して滅菌されます。このプロセスにより、バッファ溶液中の微生物は全て殺され、無菌状態が保たれます。

次に、この抽出溶液を系統的に希釈します。例えば10倍、100倍、1000倍といったように希釈していきます。なぜ希釈するのでしょうか?それは、個々の細菌が独立して成長し、コロニーを形成できるようにするためです。原液では細菌が密集していて個々のコロニーを見分けるのが難しいため、適切な希釈が必要となります。

次に、それぞれの希釈液を適切な培地に播種します。例えば、サルモネラを検出したい場合は、サルモネラが成長しやすい特定の培地(選択培地)を使用します。この培地上に播種された微生物は、適切な環境下で増殖を始めます。

その後、この培地を37℃のインキュベーターで一定時間培養します。この温度と時間は、サンプル中の特定の微生物が最もよく成長する条件を再現します。サルモネラの場合、24~48時間が一般的です。

培養期間が終わったら、培地上に形成されたコロニーをカウントします。選択培地では、特定の微生物は特定の色または形でコロニーを形成するので、これを視覚的に識別することが可能です。

最後に、カウントしたコロニー数と希釈率から、原始サンプル中のバクテリアの数(cfu/g)を算出します。これにより、特定の食品サンプル中にどれだけの生きた微生物が存在するかを評価することができます。

私たちにできること

もし病原体の数がある基準を超えていたら、その食品は食中毒のリスクを持っていると言えます。

しかし、一般的な家庭ではこのような試験は難しいですよね。暑い夏の間、食中毒を防ぐためには、食品保存に注意し、調理前と調理後に手を洗うことを忘れないようにしましょう。そして、いつも食品安全に配慮した生活を心掛けましょう。

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