「陽圧」という言葉を聞いたことがありますか?実は我々の日常生活や健康に深く関わっている言葉です。
陽圧とは
文字通り「陽」はプラス、「圧」は圧力を意味し、一般的に陽圧とは空間内の圧力がその周囲より高い状態を指します。空気は高圧から低圧へ自然に流れる性質を持っているため、陽圧環境では室内の空気が外へ押し出されます。

出典:Wikipedia
ファンやフィルターが働き、システム内部へ空気を送り込みます。このプロセスによって、システム内部は陽圧状態になります。送り込まれた空気の一部は、設計された出口を通じてパッシブに(自動的に)排出されます。これにより、システム内部の圧力が適度に保たれ、過剰な圧力によるダメージを防ぎます。
陽圧の応用例
陽圧の最も一般的な応用例としては、「陽圧室」が挙げられます。これは、室内の圧力を周囲よりも高く保つことで、外部からの細菌やウイルス、汚染物質の侵入を防ぐための空間です。陽圧室の典型的な例としては、医療施設や食品工場などがあります。
医療施設では、特に免疫力が弱まっている患者さんのための部屋として陽圧室が使用されます。例えば、大規模な手術を受けた患者や、化学療法などによって免疫力が低下した患者は、感染症に非常に脆弱です。そのような患者さんが安全に過ごせるように、陽圧室は外部からの細菌やウイルスの侵入を防ぎます。
食品工場では、製品の衛生管理が非常に重要となります。製品に細菌やカビが混入すると、消費者の健康を危険にさらすだけでなく、企業の信頼を損なうことにもつながります。そのため、食品工場では陽圧室を利用して製品の品質を守ります。
陽圧と空気清浄
陽圧だけでなく、陽圧室の維持には空気清浄が必要不可欠です。陽圧室では、HEPAフィルターなどを使って空気を浄化し、部屋の空気を清潔に保つことが求められます。これにより、室内に存在する微細な粒子や細菌、ウイルスを取り除き、安全な環境を提供します。
また、陽圧室の運用には、定期的なメンテナンスとチェックが必要です。適切な圧力を保つため、及び空気の清浄さを維持するためには、専門的な知識と技術が求められます。
陽圧:Positive Pressure
英語では、陽圧は “Positive Pressure” と表現されます。「Positive」は「プラス」や「正」を意味し、「Pressure」は「圧力」を意味します。
陽圧に関する記事を見てみましょう。
引用:
Positive pressure ventilation describes the process of either using a mask or, more commonly, a ventilator to deliver breaths and to decrease the work of breathing in a critically ill patient. Positive pressure ventilation is delivered in one of two forms: non-invasive positive pressure ventilation (either through a mask) or invasive positive pressure ventilation, which requires delivering breaths either through an endotracheal tube or a tracheostomy tube. This activity will highlight the physiology, indications, contraindications, and other key factors for members of the interprofessional team managing the care of critically ill patients who require positive pressure ventilation.
引用元:National Library of Medicine
訳例:陽圧換気は、マスクを使用するか、一般的には人工呼吸器を用いて、重病患者の呼吸を補助し、その呼吸の負荷を軽減するという方法を指します。陽圧換気は非侵襲的陽圧換気(マスクを用いる)または気管内チューブまたは気管切開チューブを用いる侵襲的陽圧換気のいずれかの形で行われます。本稿では、陽圧換気が必要となる重篤な患者のケアを管理する多職種チームのメンバーが知っておくべき、陽圧換気の生理学、適応、禁忌、そしてその他の重要な要素を詳しく説明します。
まとめ
陽圧という言葉は一見難しそうに聞こえますが、私たちの生活と健康に大いに貢献しています。食品工場や医療施設などでの陽圧室の利用は、私たちが安心して食事を楽しんだり、安全な医療を受けるために必要不可欠なものなのです。
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