OES発光分光分析

その他

岡野の化学を学習中であるが、分析装置について取り上げられていたので、発光分光分析装置について調べてみることにした。

発光分光分析装置(OES: Optical Emission Spectroscopy)は、試料を励起させることで特定の光(スペクトル線)を放出させ、その光の特性を分析することで、試料に含まれる元素の種類や量を特定する分析装置である。

試料を励起させる仕組みは、試料に対してエネルギーを供給し、その試料に含まれる元素の電子を高エネルギー状態に移行させるプロセスである。

試料にエネルギーを供給する方法は複数存在する。一般的な方法は、アーク放電、スパーク放電、プラズマ放電(誘導結合プラズマ、ICP)、レーザー照射などがある。

アーク放電

アーク放電装置の電源を入れると、電極間に高電圧がかかり、電極間の空気(ガス)に強い電場を作り出す。高い電場にさらされた空気中のガス分子(例えば酸素や窒素)は、電子を失いやすくなり、正または負のイオン(電荷を帯びた粒子)に分解される(電離:ionization)。

引用元:https://www.embibe.com/

電離されたガス分子(イオンと自由電子)はプラズマを形成し、電極間の電流のパスとなる。プラズマが形成されると、電極間で電流が流れやすくなり、アーク(強い放電)が生じる。このとき落雷の時に見られるような明るい光に似た非常に強い光が発生する。同時に非常に高温になり、電極間のガス(主に空気中の酸素や窒素)を電離させプラズマ状態にする。

Arc Discharge

引用元:https://www.sciencedirect.com/

スパーク放電

電極間に電圧を印加し、その電圧が特定の限界値を超えると、電極間の絶縁体(通常は空気)が破壊され、絶縁性を失い電流を流すようになる。その時、電極間で火花(スパーク)が発生する。そして、アーク放電と同様に、空気中のガスが電離し、プラズマが発生する。

プラズマによる試料の励起

プラズマによる試料の励起を通じて、試料中の原子や分子の電子を高いエネルギー準位に移行させる。そして、電子が元のエネルギー準位に戻る際に特定の波長の光(スペクトル線)を放出する。この放出される光を分析することで、試料の化学的組成を特定することが可能になる。

試料が励起されると、元素の電子は高いエネルギー準位の軌道に移る。すると、不安定な励起状態になる(Excited State)。しかし、高いエネルギー準位にとどまることができないため、電子が元の軌道に戻り、安定した基底状態になる(Ground State)。このとき、スペクトル線を放出する。

分光 spectroscopy

放出されたスペクトル線を、回折格子(Diffraction Grating)を用いて分光する。回折格子は、光を分散させるための光学デバイスで、表面に細かい溝が規則的に配置されている。この回折格子にスペクトル線が入射すると、光の波長に応じて格子の溝によって様々な方向に回折される。分散されたスペクトル線は光検出器によって検出される。データが解析され、試料に含まれる元素の同定とその濃度の測定が行われる。

引用元:https://www.metalpower.net/oes/understanding-oes/

まとめ

分析装置について詳しく調べることができた。今後も様々な分析装置について調べ、ブログにまとめていきたい。

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