ブレースとは

産業機械

地震が頻繁に発生する地域において、建築物やその内部の設備を地震の揺れから守るための対策は極めて重要である。その中でも、耐震固定具(Seismic Restraints)は、この重要な役割を果たすための主要なツールとして使用される。耐震固定具について調べたところ、「brace」というキーワードに出会った。

まずbraceの意味を辞書で調べてみた。

brace /bréis/

1 a 突っ張り, 支柱, 【建】 《部材間に斜めに渡す》筋かい, 方杖(ほうづえ), ブレース; かすがい; 受金物; brace and bit (の曲がり柄); 【医】 《体の部分を固定する》ブレース, 装具, 固定器, 副木(ふくぼく), 添え木, [pl] 外字カリパス副木 (calipers外字); [Opl] 【歯】 歯列矯正器.

引用元:リーダーズ英和辞典

Braceには、「固定する」「強化する」など、”支える”ようなイメージを持つ意味があり、さらに”brace oneself“「精神を奮い立たせる」→「精神的に自分を強化する」などの意味がある。そして、”支える”というイメージから建築や構造物に使用される工法、医療器具、歯科器具などの固定具の意味に使われている。

筋かい

筋かいとは、柱と柱の間に斜めに入れる補強材のことをいいます。

筋違とも筋交とも書きます。柱と梁で囲まれた四角形の対角線上に補強材を入れることにより、地震の横揺れや暴風などにも強い耐力を持つようになります。斜めに1本補強する場合と2本をたすき掛けに交差させて補強する場合があり、木材のほかに鉄骨や鉄筋などで補強するときにはブレースともいわれます。建築基準法では筋かいの基準を設けるとともに、その結合部に金物を使うことを義務付けています。

引用元:https://www.homes.co.jp/words/

方杖

方杖とは、

柱と横架材の取合部に斜めに入れる部材。

引用元:http://www.what-myhome.net/30ho/houzue.htm

関連する特許明細書

鉄骨造建物におけるブレース接合構造 “Brace joint structure in steel building”

特願2013-150610(P2013-150610) 公開日 平成27年2月2日

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

柱の下端に設けられたベースプレートを布基礎上にアンカーボルトで固定し、前記布基礎の立面と平行に設けられるブレースの下端を前記柱の近傍に位置させる鉄骨造建物におけるブレース接合構造であって、前記ブレースの下端を、前記柱とは接合せずに、前記布基礎上にアンカーボルトで接合し、前記柱を固定する前記アンカーボルトを、前記柱の布基礎長手方向の両側に位置する複数本とし、かつ前記ブレースの下端を前記布基礎に接合するアンカーボルトを、前記ブレースの布基礎長手方向の両側に位置する複数本とし、これら柱の両側およびブレースの両側に位置する全てのアンカーボルトを前記布基礎の厚さ方向に対して互いに平面位置が一致するように一列に配置したことを特徴とする鉄骨造建物におけるブレース接合構造。

引用元:Google patents

この請求項に出てくる用語のうち、いくつか不明なものがあるので、調べてみた。

布基礎 footing foundation

布基礎とは、

Tの字を逆にした断面形状の鉄筋コンクリートが、連続して設けられた基礎のことです。

家の荷重を受け止め、線で支えます。

引用元:https://polaris-hs.jp/zisyo_syosai/nunokiso.html

布基礎との比較として「ベタ基礎」という建築用語もある。

ベタ基礎とは、立ち上がっている部分と床一面を、鉄筋を入れたコンクリートで一体化して、大きな面で家の重みを支えます。

引用元:https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_knowhow/ie_kiso/

アンカーボルト anchor bolt

木材や鋼材といった構造部材、もしくは設備機器などを固定するために、コンクリートに埋め込んで使用するボルトのこと。

引用元:Wikipedia

ブレース接合構造 brace joint structure

ブレース構造は、『ブレース』と呼ばれる斜め部材で地震力を負担させ、合理的に部材断面を使うことができます。

引用元:http://kentiku-kouzou.jp/struc-vresukouzou.html

長手方向 longitudinal direction

長手方向とは、長方形の距離が長い方向を示す用語です。短い方向を、短手方向といいます。

引用元:http://kentiku-kouzou.jp/kouzoukeian-nagatehoukou.html

訳例:

Claim 1

A brace joint structure in a steel-framed building, wherein a base plate provided at the lower end of a column is fixed on a footing foundation with an anchor bolt, and the lower end of a brace arranged parallel to the vertical face of the footing foundation is located near the column, characterized in that the lower end of the brace is joined with the footing foundation with an anchor bolt without being joined with the column, the anchor bolt for fixing the column is placed as multiple bolts located on both sides of the footing foundation in the column’s longitudinal direction, and the anchor bolt for joining the lower end of the brace to the footing foundation is placed as multiple bolts located on both sides of the footing foundation in the brace’s longitudinal direction, with all the anchor bolts located on both sides of the column and the brace being arranged in a single line so that their planar positions align with the thickness direction of the footing foundation.

まとめ

今回は耐震固定具に関連した用語であるbraceについて調べてみた。様々な用途がある中、建築用語としてのブレース構造について特許明細書を読むことにより、braceについて知識を深めることができた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました