復習をするのはとても大切なことである。また問題を解くというのも非常に有効である。
以下の問題にトライしてみよう!
問題
State which molecule in each pair has the higher boiling point, and why.
- HF vs. HI
- O2 vs. CH3Cl
- H2O vs. NaCl
- He vs. Ar
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解答
1. HF vs. HI
答え: HF
フッ素(F)は電気陰性度が高いため、分子内での双極子-双極子相互作用が強い。そのためHFがHIよりも高い沸点を持つ。さらに、HFでは水素結合も発生する。フッ素は電気陰性度が大きい原子であるため、水素結合を形成する能力を持っている。水素結合は双極子-双極子相互作用よりも強力で、その存在は分子間の結合をより強くし、結果として沸点を上昇させる。
一方、ヨウ素(I)の電気陰性度はフッ素よりも低いため、ヨウ素と水素との間に形成される結合(HI)はそれほど極性を持たず、分子間の相互作用は弱まる。したがって、ヨウ化水素(Hydrogen iodide)の沸点はフッ化水素(Hydrogen fluoride)よりも低くなる。
2. O2 vs. CH3Cl
答え:CH3Cl
CH3Clは極性分子であり、双極子-双極子相互作用を持つ。一方、O2は非極性分子で、主な相互作用はファン・デル・ワールス力(ロンドン分散力)。よって、CH3Clの方が沸点が高い。
3.H2O vs. NaCl
答え:NaCl
NaClはイオン化合物であり、イオン間の引力(クーロン力)が非常に強いため、融点および沸点が高くなる。H2Oは極性分子であり、水素結合を形成するが、これらの相互作用はNaClのイオン結合に比べて弱い。
4. He vs. Ar
答え:Ar
HeとArはどちらも気体の希ガスで、主な相互作用はファン・デル・ワールス力(ロンドン分散力)。しかし、ArのほうがHeよりも原子量が大きく、より多くの電子を持っているため、一時的な双極子を形成する能力が高く、よって分散力が強くなる。これがArの沸点がHeよりも高い理由である。
用語解説
極性分子 (Polar Molecule):
分子内の原子間で電子が等しく分配されていない、つまり一部の原子が他の原子よりも電子を多く持っているため、分子内で電荷が偏っている分子。
例として水分子(H2O)を考えてみよう。水分子では、酸素原子は水素原子よりも電子を引きつける力(電気陰性度)が強いため、水素と酸素の間で共有されている電子は酸素原子の近くに多く存在する。この結果、酸素原子周辺は負に帯電(電子が多いため)し、一方水素原子周辺は正に帯電(電子が少ないため)する。そのため、分子全体に電気的双極子が生じ、水分子は極性分子となる。
非極性分子 (Non-Polar Molecule):
非極性分子は分子内の電荷が均等に分配されている分子。これは、分子内の全ての原子が電子を等しく共有する場合、または電荷の偏りが分子の形状により相殺される場合に生じる。その結果、分子全体に電気的双極子がない。例:二酸化炭素(CO2)
双極子-双極子相互作用 (Dipole-Dipole Interaction):
双極子-双極子相互作用は、二つの極性分子間に発生する引力。一つの分子の負に帯電した部分(電子を多く保持する原子)が、他の分子の正に帯電した部分(電子を少なく保持する原子)に引きつけられることで生じる。これは極性分子の物性(例えば沸点や溶解度)に大きな影響を与える。
ファンデルワールス力 / ロンドン分散力 (Van der Waals Forces / London Dispersion Forces):
ファン・デル・ワールス力は分子間または原子間の相互作用の一種。ロンドン分散力はその一つで、全ての分子(極性分子、非極性分子とも)に存在する。これは電子の動きが一時的に電荷の偏りを生じ、分子が一時的な双極子となることにより生じる。その結果、周囲の分子も影響を受けて一時的な双極子が形成され、分子間に引力が生じる。
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